2014年10月17日

SUMIVINO(スミビノ)で管理栄養士と酒を飲むの巻

仕事の合間に飲みに行ったり、食べに行ったりした写真が溜まった。

遡ること10月4日、
仕事に行き詰まり悩んでいた時、真面目な管理栄養士にメールをすると付き合ってくれた。美味しい店に詳しい彼女が連れて行ってくれたのは SUMIVINO(スミビノ)」というワインと炭火焼とスペイン料理の店だった。

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おしゃれで暖かそうな外観。予約なしで行ったけれど、2名分の椅子がカウンター席にありラッキーだった。店は満員で仕事帰りの人が多い。

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カウンターの前にはオリーブオイルがずらり。

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壁際の空き瓶たち。

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飲み放題を頼み<(`^´)>
まずは「ハーフ&ハーフ」という黒ビールを頼む。これがニガウマでござった。

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野菜のバーニャカウダーを食べながら、ヒラメばなし、ただそれだけに尽きる。

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「琴似バル」のアヒージョがあまりにも美味しかったので、同じ「生ハムとマッシュルームのアヒージョ」を頼むも、好みの生ハム、好みの味でなく、かなりがっかり。

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そろそろワインだなぁ。真面目な管理栄養士は酒が強い。

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ワインとくれば肉でしょ。サガリ串。わさびをつけていただく。

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多分、チーズの揚げたもの。

突然、隣のカップルが声をかけてきた。40代から50代くらいのカップルだ。美味しいお店について真面目な管理栄養士と話し合っていた。私は一人でヒラメの悪行を罵りながらひたすら飲んだ。実は私は、仕事以外は人見知りである。知らない人とあまり口をきかない。

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二軒目にどこかに店に行き、管理栄養士が何かのカクテルを飲み、

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歩道にはこのようなものが敷かれており、

話しを静かに聞いてくれた真面目な管理栄養士に礼を言い別れたのであった。

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posted by 雪あらし。 at 19:20| Comment(4) | TrackBack(0) | 食べたり飲んだり。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月15日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻16 人事異動を命じる

この法人は九州と本州に福祉施設を持ち、私の勤務している施設は3つ目だ。理事長という名のハゲには一度しか会ったことがないが、彼の血をひいた者たちには何度か会った。みな能力に見合わぬ役職がつき、必要以上の金を貰っている。つまり、ここは同族経営であり、同族経営に苦労した私は十分に気をつけていたはずなのに、またもや穴ぐらに入り込んでしまった。

九州の女施設長の息子は、からっぽの頭に体裁だけを被せたような男で、出身大学の偏差値を見ると「35」とあった。それから私は彼を「偏差値35」と呼んでいる。こいつの役職は参事である。

こいつは札幌に来ると事務所の私の目の前に座っているが、客が来ても立たず、電話が鳴っても決して取らない。そんな用事を足すのは参事の沽券に関わるとでも思っているのか「ボクの仕事じゃない」オーラを出している。30過ぎの彼が新卒の介護職の女の子たちとlineをしているのは有名である。その中に自分が怪我した手足の写真や、体の調子が悪いことや寝不足のことを書き、女の子たちが慰めの言葉を書き込むという。気持ち悪い話しだ。先日、飲み会で同席した新卒の女の子が「参事から「入浴介助の時にTシャツから乳首が見えたよ。まっ、ボクはどうも思わないけどね」と電話してきて、マジ、キモかった」と言っていた。聞いているこちらも、マジ、キモかったのである。

しかし、こいつの祖父は理事長、母親は施設長、叔母が事務長、いとこ1が本部長、いとこ2が副本部長であり、何も怖いものはないのだ。偏差値35が通ると、ヒラメは舞い踊りをし、生ごみは90度にお辞儀をする。偏差値35は介護指導者というポジションであるが、その実態はお粗末で、入浴介助では高齢者を支えきれなくなり、本人も支えてもらい「偏差値35も高齢者も支えなきゃならなくて手間がかかった」と陰口を叩かれる始末である。センサーマットは拘束だからしないと骨折入居者を増やし、「センサーは拘束だから、4点柵にすればいい!」「ミトンをさせよう」などと平気で言う。

センサーマットとはお年寄りがベッドから降りると職員にランプで知らせるシステムで骨折予防の一助になっている。4点柵はベビーベッドのように回りをぐるりと柵で囲い、入居者をベッドから出られないようにする拘束の一種であるし、ミトンは物を掴めないようするものだ。この二つは人の自由を奪うものである。間違えた解釈を得意そうに若い介護者に教えるのだから、無知ということは恐ろしい。しかし、彼は偏差値35と言えども、田舎のプリンスである。誰もなにも言わない。

が、ここに言った人間がいた。精神病院に追いやられそうな「彼」である。偏差値35が夜勤の時に彼は吠えだ。「おぉい、おぉい」大きな声に苛立つ偏差値35。無理に抑え込もうとすると彼は逆上する。彼は自分に冷たい人間、プライドを傷つけた人間には容赦しない。介護について知識の浅い偏差値35が彼にどのような介護をしたのわからないが、彼が田舎のプリンスをアホ呼ばわりし大暴れしたのは確かだ。

その翌日、ヒラメ部屋(施設長室)で激しく彼を罵る偏差値35の姿があった。ヒラメは私を呼び、
「あの人ひどいみたいね。参事はずいぶんとご苦労されたみたい。叩かれたようよ。お怪我がないようでよかったけれど」
「参事のご専門は精神だからよくご存じで、「あれは精神科だ」とおっしゃっているの」

偏差値35の出身学科は東洋介護福祉学科とかで確かに精神医学の類も学ぶだろうが、専門が精神とは精神科医でもあるまいし、噴飯ものである。噴飯ものであるが、偏差値35には権力があった。その日9月7日から偏差値35のプライドを傷つけた彼は精神病院行きリストに載ったのであった。偏差値35は定期的に札幌に来ることになっているが、次にくるのが10月19日である。この日までに、精神病院に入れるのが、法人の総意なのである。

彼はこのままでは精神病院に入れられる。受診の翌日の日曜日、彼の妻に来てもらった。実はヒラメから、彼の妻が来たら3人で今後のことを話しましょうと言われていたのだ。私はそれを無視して、彼の部屋にいる妻に会いにいった。

彼の妻はヒラメが同席した受診に対して憤慨していた。そして、
「あの時に「施設長さん、あなたは本当に冷たい人だ」って言ってやりたい気持ちになった」
「言って下さい。契約書の強制退去の項目のどこにもご主人に該当しません。人権侵害です。もっと怒って当然です。でも、この施設にいることが幸せだとは思えません。どこかしかるべき施設に入り直せるようにお手伝いします」

そして、私たちは、彼を精神病院に入れずに彼らしく生活できる場を相談していた。彼の妻はその後帰っていった。ヒラメに会わずに。その日の夕方、私は同期の友人と久しぶりに会う予定だった。

突然、胸元のPHSが鳴った。「〇〇さんがベッドから落ちました!」彼は顔面を床に打ちつけたようで、血が出ていた。介護員がベッドを高く設定していたのだ。彼は大声で「Y〜、Y〜おまえやったな!」と男性介護職の名前を連呼していた。血が鼻血なのか判断がつかない。頭部を打っている可能性もあり直ぐに救急車を呼び病院で検査することになった。彼が何とか病院に行き、一息ついているとヒラメに呼ばれた。もう時間は終業時間である5時半に近かった。

「聞きたいことがあるの」
「なんでしょうか」
「あなたは〇〇さんの精神病院に入院についてどう思っているの?」
「私はドクターの見解に従おうと思っています。施設で生活しながら処方された薬を服用し、それでもなお周辺症状で不安定な状態なら入院して微調整すると言ったドクターの指示です」
「あのね、それがもう無理な状態でしょう?だいたい、あなたと施設には温度差があるのよ。あなたは彼をどうしたいのか。それを私は聞きたいのよ」
「私はどうしたくもありません。特養ではよくある症状だと思います。あの程度で精神病院に送り込んでいたら、今後そのようなケースばかりになるでしょう。部屋を変えたりいろいろな方法があると思います」
「だからね、もう限界なのよ。9月7日にこの話が出てからなぜここまで放っておいたの。それはあなたの仕事でしょう」
なるほど、偏差値35が来るのに、彼ままだここにいる。行き場を用意していない。ヒラメはそれを自分の責任にしてはならないので相談員の責任にすり替えたのだ。

「責任は相談員の私でしょうか。施設長の命令通りに動いていますが」
「陰でこそこそ、〇〇さんの奥さんと話しているでしょう」
「相談員なので、ご家族と話すのが仕事です。彼が入所したのが8月27日です。わずか10日で精神病院に転院を考えること自体がおかしいです」

ふとヒラメを見ると顔が強張っている。
「あなたに話すことがあります」
「はい。何でしょうか」
「10月19日付けで相談員職から介護職への人事異動を命じます!」
握った右手がぶるぶると震えている。
「あの、今日は10月13日ですが。もう少し時間の猶予はないのでしょうか」
「会社内の移動なのでそれに従ってもらいます」
「私は相談員という職種で入職したのであり、介護の経験も資格もないので介護職になる気持ちはありません。職員の迷惑になるし何よりも入居者に怪我を負わせることになります」
「あなたには4にいって〇〇さんの介護をしてもらいます」
「ですから、私に介護は無理です」
ヒラメは興奮のまま坐り続けていた。

翌日、今度は私がヒラメを呼び出した。
「昨日のお話ですが、正式な人事異動の辞令をいただきたいのですが」
「えっ?」
「文言を確認したいので」
「あっあれね、昨日は私も言葉が足りなかったんだけど。あなたには広く介護全般を勉強してもらいたいの。だから待遇は相談員と同じで介護もするということなのよ。まぁ、勉強というところでしょうね。介護を学ぶという気持ちにはならないの?」
「特別養護老人ホームは専従で常勤の相談員が100名につき1名就くことが法的に求められています。介護職との兼務はできません。それに業務量が多く介護の手伝いは不可能です」
「広く相談員の仕事としての介護よ」
「ここに私以外に相談員が座って話を聞いていても、頭の中に?(はてな)が一杯になると思います。私は17、18日と休みなので、16日には辞令を確認させて下さい。そして、二日間でよく考えてみたいと思います」
「それで19日には介護の現場に入れるの?」
「ですから、それが妥当か否かを専門家に聞き、妥当なら出勤します」
「・・・・・」

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2014年10月12日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻15 精神病院でヒラメの正体をみた その2

(私はブラック社会福祉法人にいるの巻14の続き)
「彼」を大きなワゴン車に車椅子ごと入れ、鬼がわらと私は車の中でヒラメと彼の妻を待っていた。30分ほど経った頃、彼の疲労を心配した鬼がわらが「私、ちょっと見てくるわ」と言って出て行った。ほどなく戻って来ると「奥さんが説得されているみたいで話しかけられる雰囲気ではなかった」と言い、車のシートにどさりと坐った。1時間くらい経ち、今度は私が病院の中に入って行った。「処方箋に時間がかかるようなら、〇〇さんが疲れているようなので先に施設に連れて帰りますが」と言うと、ヒラメは不機嫌そうに「待っていて」と言った。

車に戻ると彼は静かに座っており、興奮した様子もない。私はさきほど診察室で彼が言っていた「右足を苛めた失礼な奴、裏表ある奴」は誰かと聞いてみた。彼は「Yだ」と言い、「あいつはひどい奴だ」と憤慨していた。確かにそやつの外面はすこぶるよろしい。ヒラメには特にビッグスマイルなので信じられないことだろう。

そんな会話をしていたが、一向にヒラメが帰ってくる気配がなく、私は午後から相談に来る予定の家族がいたので事務所に一本電話をかけた。アルバイトの人が出て何やらとても焦っている。

「あっ、〇〇さんのファイルって持っていますか?」
当たり前だのクラッカーだ。ちなみにこのアルバイトさんは前田さんという。ファイルはこういう時のためのファイルである。そう言うと、
「あっ、施設長からの命令で、ケアマネさんに精神病院を探せということで、だけどファイルがないので詳しいプロフィールを説明できなくて、ケアマネさんが困っているんです」

なるほど。ヒラメは今日中に是が非でも彼を精神病院に突っ込みたいのだ。私(たち)が知らないところで、新人ケアマネにネットで調べさせ片っ端から電話をさせていたのだ。ヒラメが来ないのは時間稼ぎだった。そして、ケアマネを置いていったのはこういう量見だったのだろう。

こういうことを考えていると、鬼がわらの頭の中でも糸が繋がったらしく、
「もうイヤ、もうイヤ」
「どうしてこんなことになるの。さっきドクターが言ったように認知症でしょう?精神病院じゃないでしょう?きちんと話をすれば問題ない人でしょう?」
「あぁ、わたしはホタテになりたい。ホタテになる。何も言わない。何も話さない」

鬼がわらよ、それを言うなら「私は貝になりたい」だろう。
それにあなたはもう十分に話している。

ヒラメが彼の妻と戻ってきたのは、もうずいぶんと経ってからだった。朝の10時過ぎに出発した私たちが、施設に帰ったのは4時過ぎだった。遅い昼ごはんを急いで食べ終わると私はヒラメに呼ばれた。
「至急、入院可能な病院を調べてちょうだい。本部に知らせなきゃいけないから。法人の総意で入院してもらいますから」

法人の総意で入院・・・そういう入院ってなにさ。

話はまだまだ続くである。

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2014年10月10日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻14 精神病院でヒラメの正体をみた その1

  昨日、予約していた精神病院に出向いた。何を思ったのか、急遽、ヒラメは自分が行くと言いだし、ケアマネは介護員として1名が同行した。診断を受ける「彼」と、彼の妻とヒラメと鬼がわら(ケアマネ)と私の5名がメンバーであった。

 精神科のドクターは白衣も着ず、ラフでありながらコンサバティブな、ちょうど良い感じのセンスを持った男性であった。笑顔で我々一行を迎えてくれ「お待たせしました。私が〇〇です」と感じ良く、一人一人に挨拶をしてくれた。

 診断結果とその説明が始まった。私たちが待合室にいる間、採血、頭部CT、長谷川式テストを彼は受けていた。それらを総合的に判断して、昨年12月に彼を襲った脳梗塞が原因の「脳血管性認知症」で、その認知症の典型的な周辺症状の一つである感情失禁が起きているということだった。感情失禁は、興奮しておしっこを漏らすとかではない。本人が感情のコントロールができなくなるのだ。悲しみや怒りがあっという間に沸点に達する。しかしそれは長くは続くない。脳の問題であり、充分なスキルや知識を持った看護師や介護士なら彼のバランスを引き出すことができ大きな問題にはならない。医者が指示してくれたCT画像では、脳梗塞の跡がはっきりと写しだされ、64歳にしては驚くほど委縮が顕著であった。成人病は本当に恐ろしいものである。

 医者は彼にゆっくりと聞いた。
「どうして怒鳴るのですか?」
「腹が立つことをするから」
「腹が立つことってどういうこと?」
「病気でぼくは左足が麻痺しているから、右足をとても大事にしている。でも、その右側を苛めるからだ」

「どうして「おぉい、おぉい」と呼ぶのですか?」
「寂しいから。とても、寂しいから」

「どうして暴力を振るおうとするのですか?」
「お願いしているのに、やってくれないからだ」
「やってくれないのですか?」
「かりんとうを食べてもいないのに、「食べたでしょ?」と言う。食べていないんだ。嘘つきだ。裏表のある人間がいるから頭にくるんだ」(彼は軽度の糖尿病があり、毎食後3本という制限つきでかりんとうを食べてもよいと主治医から言われている)

 医者は我々に「現在当院は万床ですが、それとは別に〇〇さんの場合は精神病院に入院するような症例ではないと思われます。一か月後にベッドは空くと思いますが、場合によっては拘束することもあり、入院することで認知症が悪化する場合があります。このようなことを考えると、薬で調整をして、それでもうまくいかない場合に入院を考えてはいかがですか」と言った。

 さらに「現在薬が出過ぎています。少し減らし、副作用に攻撃性を生むものもあるのでカットしましょう。漢方薬の副作用は以外に多いので、一旦はずして様子を観ましょう」と多くの薬の名前をペンで消していった。

 私はこの医者を好ましく思った。日本の精神科医ほど過剰に薬を出す医者いない。さて、医者が言ったことをまとめると以下の通りである。
@一ヶ月間はべッドが空かない
A彼は脳血管性の認知症であり、感情抑制ができないのは認知症の周辺症状の一つである。
B薬を減らしながら、医者の匙加減でコントロールし、何度かの通院で彼自身の感情を楽にし、共同生活で人の迷惑にならないようにする。
C精神病院入院は認知症を加速させることになるので、避けた方が懸命である。

 私は家族の代弁者でもある。家族が聞きたいであろうことを確認せねばらならぬ。
「これまでの先生のご経験から、入院しなくても今後の服用で〇〇さんの周辺症状は治まっていくでしょうか。施設での共同生活は送れるでしょうか」
「かなり期待をもてると思います」
 
 私は横に座って何も語らないヒラメに聞いた。
「どうですか?」『なければいいでしょう?もうこれでいいですね?』という意味だった。

 ところが、ヒラメはしゃべりだした。

 「そこをなんとか入院できないものでしょうか。入居している入居者の皆さんは怖がっているんです。もう施設で生活することは難しいと思います」
「薬でかなり調整できますよ。それからでは遅いですか?」
両者の押し問答が数回続いた。

やめてくれぇ。

 これまでの経験で学んだことは、第一に入居者本人の最良な道を確保する、第二にご家族は納得しているか。それを確認した上で、企業体としての施設は病院とは良好な関係を築いておかなければならない。他の医者が書いた医療情報提供書を持ってきた患者を邪険に扱う医者はいない。今回の紹介状を書いてくれた医者の顔を潰してはならない。あらゆる職種のメンツを潰さないように考え、そうして、今の患者以外の入居者が世話になった時のことまで考えねばならないのだ。パイプは大事にしなければならない。

 しかし、ヒラメはこのパイプラインを潰した。精神病院の拘束から、薬の過剰摂取まで説明してくれたこの医者の良心を診察室の誰もが感じていたはずなのに。

 ヒラメは言った。
「先生、他に入院させてくれる病院が見つかったら紹介状を書いていただけますでしょうか」

 始めて会ったドクターに紹介状を頼む浅はかさ。そして、今日の紹介状を書いてもらったドクターの面の皮にしょんべんをひっかけたヒラメ。

 この時に私は強く確信した。この人は彼を楽にさせたいわけではない。入院させたいのだ。目の前から消えてほしいのだ。入院が最大目標なのだ。兎にも角にも施設から離れていってほしいのだ。

 診療が終わり、車椅子に乗った彼を車に乗せ、車中で彼を囲みながら彼の妻とヒラメを待つこと1時間強が過ぎた。ケアマネの鬼がわらが気付いた。そして、私も気づいた、そして全てが繋がった。

それは次回に続くの巻でござる。

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朝早くの散歩での朝日。

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2014年10月08日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻13 人間としてやってはいけないこと

 入居している男性は64歳。まだ年金を支給されていない。昨年末、脳梗塞を起こし、その後、高次脳機能障害と診断された。精神的にも肉体的にも大きな後遺症を負ってしまった。彼は悔やむように話してくれた。「酒もね、煙草もね、やり過ぎちゃったんだ。その時は楽しかったからね。倒れて失敗したと思っても後の祭りだよ」

 倒れた彼は病院で治療をし、その後リハビリを目的に老健(老人保健施設)に入所した。日本にはこういう人間が入所できる専門施設はほとんどない。だから認知症の老人に混じり生活するしかなくなる。80代、90代の高齢者の中で、今後の長い人生を老人保健施設や特別養護老人ホームで過ごすには気の毒だが、受け皿がない以上仕方がないのだ。

 入所後の彼は、そこにいない妻を「おぉい、おぉい」と呼び続け、時には苛立ち壁を叩いた。気に入らない介護スタッフを怒鳴る。しかし、彼なりの流儀があったようで、穏やかに介護しているスタッフにはそれなりの礼節を持って接していた。妻が帰りがけに言ったことがある。「前の施設ではこんなに感情のコントロールができないことはなかった。ここでは自分を理解してもらえないと思っているような気がする。そういうことに敏感な人だから。ごめんなさいね、こんなこと言って」

 どんな小さき者にも怒りには意味がある。ましてや大人の人間だ。酒、煙草で失敗した生活スタイルを悔いて話していた人間だ。狂人ではないのだ。彼の怒りの引き金は何か。この施設で引き受けた以上、彼の病気の特徴と施設の環境を、一からアセスメントし直す必要があったのだ。これはワタシの失策である。

 入所から一か月も経っていないにも拘わらずヒラメが言った。
「彼は精神科の領分でしょう?早急にどこか精神病院を探してちょうだい。介護スタッフに殴りかかったらしいの」この介護スタッフについては後日記述するとして、彼を積極的に入所させたのはヒラメである。その理由は負担限度額といわれる特養への支払いを示す数値が高いからだった。

 妻は彼がこの先も落ち着いて過ごせる場所ならばと、この施設を選択した。今さら、どうやってここから出て行けと言えるのだろう。それも精神病院に行けとどうして言えるのか。今日、ヘアカットされている彼の黒々とした髪の毛と大きな瞳を見ながら気が滅入った。

 精神病院入院は、ヒラメが考えるほど単純なものではない。このケースは医療保護入院となるはずだ。しかし、ヒラメは簡単に言う。「入院するかしないかは、相談員のあなたにかかっていますから」私が入院させるわけではない。彼の主治医の医療情報提供書も提出済みで、後は相手方の精神病院の医師の判断である。なにかのモノ売りのプレゼンテーションではないのだ。私がすることは現在の彼の状態をできるだけ事実に沿って説明するだけだ。

 このケースは、薬で微調節をするために数カ月入院するか、通院しながら服薬により対処療法を行うかだろう。ヒラメの思うような、ずっと入院などないのである。それにしても、こんなことになるのなら老健にいたほうが彼のためだったのだ。彼と家族に申し訳ない気持ちだ。

 精神病院の受診に際して有能なナースの同行を求めたが、こともあろうに自分の言うことを聞くイエスマンの腹心のケアマネ二人を同行させると言ってきた。「つい先日、入職したケアマネをつけてどうするのですか。環境面では相談員が、医療面ではナースが説明するのが妥当だと思います。ナースを同行させて下さい」と言ったが、ヒラメは「総力を挙げて、入院してもらいます」

わけわからん。アンタが入院せ。

 ヒラメよ、ケアマネはケアプランを作成する人である。おまけについこの前に職についた人で、当人の区別もついていない人だ。その彼女たちが診察室に入って何を語るのか。

 で、気がついた。私がちゃんと入院に向けて「積極的」に話しているかを確認したかったのだろう。嗅覚の発達したヒラメは私ができれば入院を避けたいと思っていることを分かっていたのだろう。

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稲葉選手、ありがとう!日本一に向けてまだまだ頑張りましょう!

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2014年10月02日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻12 職員も逃げ、入居者も逃げる

 9月で3人の送別会をしたが、実は9月末日にピンクナースの送別会に参加していたボブカットも退職した。計4人の退職である。ボブカットは今日から新しい職場で働いているはずだ。10月中には何人が辞めるのだろうか。こういう状態が続けば、閉鎖ということになるだろう。

 職員だけではないのだ。あろうことか、入居者が2人退居し、1人が近いうちに退去する。特別養護老人ホームは「終の棲家」だ。介護保険制度上で自治体からの補助金を受け取り、要介護の高齢者の心身を守るべき公的な施設である。従って、入院している者も他施設に入っている者も、最終的な介護を受ける場として特養に入ることを望む。待機には数百名のリストが載っているのはそういうわけなのだ。年金の範囲内で専門性の高い介護サービス、医療サービスを受け、死ぬまで本人のみならず家族も安心していられる場所、それが特養なのだ。東京の特養にいた時には、亡くなって退去というケースはあるが、入院を除いて転居する高齢者は一人もいなかった。

ところが、驚くことが起きている。
一人があろうことか、老健へ。
一人は家族が看ると、自宅へ。
そして、一人がもっと信じられないことに、サ高住へ。

 福祉施設をご存じない読者もいるだろうから、ざっくりとご説明すると、老健というのは老人保健施設で、主に病院から自宅に帰るまでの決められた期間いることができる施設である。退院した高齢者をリハビリ等で機能向上をさせ、自宅での生活に備えるという役割を持つ。だから、老健は一時のお宿である。入居者は、いつまでも老健にいることはできないのだ。なのに、ここよりはマシだと、元の老健に戻ってしまったのだ。

 そして、サ高住はサービス付き高齢者住宅のことで、最近は看とりまでするところが出てきたが、あくまでもマンション型プライベート重視の住まいにヘルパーが出向く形の住宅である。極端なことを言うと、室内で倒れていても亡くなっていても、気づかれ難い比較的元気な人の住まいなのである。サ高住からの特養入所希望は沢山あるが、特養から行くなどとは常識的に考えられないのだ。しかし、家族は転居を二コリともせずに「ほっとしました」と言ってきたのだ。

退去の事実を施設長であるヒラメに言うと、
「あらっ、どうして出るのかしら?」
(嫌だからだろうが)
「理由なんか言っていた?」
「ほっとしましたとおっしゃっていました。私の相談員のキャリアの中でこういうことは初めてですが」
「まっ、いいわ。また、入れればいいんだから。入居急いでちょうだい」

ヒラメの涙袋を見ると、憎しみが増し、最近では過敏性大腸炎のため下痢が止まらなくなってきた私である。

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止まない雨はない。雨の後にはきっと虹が見えるだろう。

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2014年10月01日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻11 さらば、ピンクナース〜そして、二人が残った〜

早いもので10月である。毎日をやるせなさと憤りと目の前の仕事だけはしなければならないという若干の使命感で仕事をしている私である。そして、今後どうするのかを可及的速やかに考えねばならない時にきているのだ。職場がマトモでない以上、高齢者やその家族を甘い言葉で誘うようなことだけはしたくない。

そしてここにも「これ以上恐ろしくて仕事ができない」と言って、辞めていった仲間がいた。ピンクナースである。遡ること9月の26日にそのピンクナースの送別会があったのだ。送別会といっても、本人もお金を払うという送別会であり、送るのか懇親会なのかわからない会なのだ。それでも、ピンクナースにこれまで世話になった礼と今後のご多幸を祈る会であったことは確かだ。会には先日退職し、新しい職場から駆け付けたオカメインコ大ちゃんを飼っている真面目一方の管理栄養士もいた。残念ながら、地獄から響くような声のケアマネは某山陰地方で隠居生活を送っており欠席であった。

では、メンバーを紹介しよう。主役であるピンクナース、真面目な管理栄養士、優しさ溢れる居宅ケアマネ、最も早くに入職し立ち上げから一緒に苦楽を共にしてきた介護福祉士マッキー、ピンクナースを慕う新入社員、夜の世界のママだったらスカウトしたいと思う不思議な魅力のボブカット、そして私の7人が送別会のメンバーである。

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場末ってな感じである。が、驚くべき人気店でやっと予約がとれたのである。

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琴似バル

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飲み放題の980円(クーポン利用)を頼み、あとはア・ラ・カルトで好きなものを注文した。食べることが好きな管理栄養士に采配を頼む。始めはキャロットサラダ。

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大絶賛のバーニャカウダー。優しい居宅ケアマネが思い出したように今でも「美味しかったぁ」と言っているほどのうまさ。

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ぷりぷりエビのアヒージョ。このオイルにパンをつけて食べる。うまかばい(~_~)。

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生ハムとマッシュルームのアヒージョ。最も気にいったもの。塩加減抜群で冷えた白ワインに合う逸品。あっつあつ。

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アップにするとこんな感じ。もちろんオイルはパンで食べるのである。

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パエリア。これは皆大好きな味。

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あさりとムール貝の白ワイン蒸し。こういうあっさりとした貝類を好んで頼むのは私である。白ワインと合う美味しさ。

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スペイン産ガリシア栗豚のロースト。この頃から赤ワインにシフト。心地よい酔いの中、この味はほとんど憶えていない。

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真鯛の香草焼き。真面目な管理栄養士が丁寧に取り分けてくれた。

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チーズの風味抜群のニョッキ。ピンクナースを慕っている新入社員が好んで食べていた。

その他、ピッツァやトマトとアボカドのミルフィーユや素晴らしく美味しいチーズの盛り合わせなんか頼んだのに、ワインを飲むことに忙しくて写真を忘れてしまったのであった。

美味しく沢山飲み沢山食べ送別会の夜は過ぎていった。

ヒラメがアホだと思うのは、人材の放出の真の意味がわかっていないことだ。新規オープンいわゆる立ち上げということで普段は来ない貴重な人材がこの施設に集まっているのだ。ピンクナースはその中でも希有な存在だった。彼女の持っている優しさや温かさは学んで身につくことではない。もって生まれた性分でそういう人が医療や介護のスタッフであればどんなに高齢者はホッとすることか。看護師だから誰でもいいということではないのだ。

7月27日にオープンし、10月1日の今日、立ち上げのメンバーだったピンクナーズと地獄のケアマネが辞め、今では介護福祉士マッキーと私しかいないのである。

夢を持って集まったのに。
そんなことってあるかい?

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2014年09月21日

魂の蕎麦屋「喜長庵」

写真を整理していたら、まだアップしていないものがあった。もしよろしかったら、ご覧下さい。

「喜長庵」という蕎麦屋の前を通ると、硝子の向こうに短髪の男性が一生懸命に蕎麦を打っている光景が見える。手打ち蕎麦だ。実に美味しそうである。いつか食べてみたい。まだこの時は同僚として働いていた、声の低いケアマネに言うと「では、行こう」と即効で話しが決まった。こういう時にすっきり、すんなり決まる人なのである。

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喜長庵の暖簾をくぐると・・・

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なかなか清潔な店内で広々としている。

「写真を撮ってもいいですか?」と店主に聞くと、「いいですよ」と快いお返事をいただいた。「厨房も見なさい」「さぁ、写真に撮りなさい」「さっ、これも」「さっ、ここも」と蕎麦打ち道具から冷蔵庫の中からかき揚げの製造過程まで見せてくれたのだ。

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そば打ちセット。朝5時から他店とこの店の分を打つという。種類は田舎蕎麦と更科蕎麦の2種類だそうだ。

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そば打ち棒にも数種類がある。

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こちらのご自慢はかき揚げで、帆立の貝柱が景気よく投入される。

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高温の油。手袋でガードしないと火傷になってしまう。

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一つをつくり、もう一つに移る。

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蕎麦を茹でる釜はもうぐらぐらと沸騰している。

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店主の背中には「魂」の文字が。魂を込めて蕎麦を作っておられます。

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更科蕎麦は+100円である、私は大盛なので+200でござる。

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さあ、お待ちかねの更科蕎麦のかき揚げせいろである。かき揚げはかなりのボリュームである。つゆは辛めの関東風で好みだった。

食べていると店主が自慢気に運んできたえびすビール。いえいえ、私たちは飲みませんが・・・。そうではなく、珍しいラベルだから見なさいということらしい。
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右側は魚が魚籠にも入っているのだ。

美味しくいただきました。
ご親切にありがとうございました。
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posted by 雪あらし。 at 20:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 食べたり飲んだり。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月20日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻10 ピンクナースが辞めた

今日、ピンクナースが辞めた。
立ち上げから一緒にやってきた仲間の一人だ。これで4人のうち二人がこの施設から去った。オープンから1か月半でだ。やるせなさに気落ちしてしまう。

ピンクナースはその名の通りピンク色が似合う人で、ゆったりと柔らかな物腰と優しい口調が特徴だった。特養の、ともすればイライラギスギスする職場環境の中で癒しのような存在だったのだ。くるくると一生懸命に動き、首からタオルをかけ汗をぬぐいながら仕事をしていた。仲間たちからお別れにタオルをプレゼントされていた。

ヒラメが以前、得意そうに言っていたことがある。「私は人を見る目がある」「だから人事に関して自信がある」。そうだろう、そうだろう。指示がころころと変わるヒラメと伝言さえもミスするマスタード色の生ゴミのそばで、巨大な施設の立ち上げを短期間でやり通したのは、実質的に4人のメンバーだったからだ。私たちはただひたすら働いた。そういう面で、ヒラメ、あんたはなかなかの鑑識眼を持つ女である。しかし、最近私は思うのだ。ヒラメが選んだのは勤勉度や協調性とかだけではなく、自分の言う事を黙って聞く人間を選んだ(つもり)だったと。しかし、ヒラメは誤算していた。我々もヒラメを査定していたのだ。そして、ヒラメを見限る職員が出てきたのだ。

今月一杯で他施設に移るという仕事のできるボブカットがこう言った。「こんなにいい人たちが揃っている施設は珍しい。建物も最新だし。うまく機能すれば素晴らしい施設になるのに、本当に残念だった。あの施設長でなければここで働きたかった」

「あの施設長」とはどういう施設長か・・・改めてヒラメを紹介しょう。

真面目一方の管理栄養士が一人事務所に残って仕事をしている時、栄養士の机の周りを歩きながら、長い透明定規を自分の掌に強く打ちつけながら、ヒラメは言った(定規の音:パチッ、パチッ、パチッ)「まだ、かかるのぉ?」(パチッ、パチッ、パチッ)。管理栄養士は答える。「あと、もうすこしです」

それは仕事をしている間中続く。管理栄養士はタイムカードを定時に打刻している。だから、完全なるサービス残業である。しかし、労基を極端に恐れるヒラメは定規を叩く手を休めない。管理栄養士が仕事をしている机の横で叩き続ける。(パチッ、パチッ、パチッ)そして、ヒラメは「お疲れさまぁ」と栄養士の後ろで言う。まだ、仕事が山のように残っているにも関わらず、その声にいたたまれなくなった管理栄養士は帰り支度をする。しかし、翌朝、仕事は減っているわけではない。

ピンクナースの場合はやり方は多少違っていたが、気味の悪いことは変わりはない。二階にある医務室で一人仕事をするピンクナースの前で両腕を組み、何分でも黙ってその仕事を見ている。いたたまれなくなりフロアに逃げると、その後をストーカーのようについて来るという。

ヒラメは少し首が短く、背中を丸め前かがみになって歩く。その格好で涙袋を浮き立たせながら、ピンクナースが帰るまで後をつける。

愛情もなく、効率性ばかり追い求めるヒラメ。今数えるだけでも、今月5人が辞め、来月既に2人の退職が決まっている。

さあ、どうする、ヒラメ。
黙って働く人間も怒ると牙を剥くのだ。

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短い夏の日の一つ一つが懐かしい。そして、心からの感謝を送ります。あなたとあなたの家族に沢山の愛がありますように!

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2014年09月18日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻9 経費節約

前ブログの続きだが、結局、委託先の栄養士と話し合い、Aさん、Bさんのごはんを大盛にしてもらうことにした。しかし、おかずの割増などはできないと言う。昨日の夕食を覗いたが、調理の具合なのか食材がわかりにくく、色身も悪い。量も少ない。私も検食していないので味も満腹感もわからない。嫌な想像だが、法人側が委託先の給食業者Sに高齢者としての最低カロリーと材料費を指定したのではないか。ヒラメならやりかねない。いや、ヒラメを生け簀(いけす)で飼っている法人側(経営は同族である)ならやりかねない。食事は入居者にとって唯一で最大の楽しみである。食費は実費の本人負担である。充分な食事の提供は当然のことである。

ブログの記事を読んだ退職した管理栄養士が、旅先の海外からメールをくれ自分を責めていたが、彼女のせいではない。と言うのは、前述したように、社会福祉法人では、委託業者に栄養士がいてそこに一任しているからである。法人の管理栄養士はメニューに参与できるシステムにはなっていない。おまけに彼女も検食は行ったが、なんと辞める寸前に1回だけというものだった。そして、その時に虫を発見したというオチまでついている。

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虫入りおかず。

昨日、今日と札幌は冷え込んでいる。施設も冷え込んでいる。が、各ユニットに行っても暖房がついていない。入居者が「寒い」と呟く。季節の変わり目で体調を崩している人も多い。私は暖房をつける、同じように暖房をつけている看護師Tが言うところによると、ヒラメが後から暖房を消すらしい。だから、ちっとも暖かくならない。

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2014年09月16日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻8 3食を検食で済ませる施設長ヒラメ

看護師から報告がきた。
Aさんが入所1か月で3s、Bさんが1カ月半でおよそ10s痩せたという。これは尋常なことではない。
Aさん、Bさんとも70代に入ったばかりの男性である。

早速、食事を委託している業者の栄養士に、一日の総カロリーを聞いた。驚いたことに一日1.400calだという。それもおやつコミコミでだ。おやつを食べないと、1.000calになる場合もある。

恐ろしい。年寄りは死ねという数字だ。

通常、特養などで高齢者に提供される三食のごはんは、おやつコミコミで2.000calである。これが基準で糖尿病などにはカロリーダウンを行うが、最近はカロリーよりも脂質や糖質を抑える傾向にある。また、肉を積極的に食べたり、デミグラスのようなこってりソースを好む高齢者が増えてきた。煮込みハンバーグは高齢者も大好きなメニューなのだ。今後、団塊の世代の高齢化でますます高齢者の洋食化が定着するだろう。もう、高齢者=あっさり=小食ではないのである。こういうステレオタイプな考えは捨てたほうがよい。肉や野菜の好き嫌いは年齢ではなく個人の好みの問題だ。

前出のAさんもBさんも認知症を発症しているとはいえ、他に大きな疾患があるわけではない。聞けば、二人とも「ごはんが足りない。お腹がすいた」と不満を言っていたという。今日、Bさんの家族と話したら施設に入所してから痩せたと心配していたのだ。

早速、栄養士のところに行き、二人の米飯を大盛にしてもらったが、肝心の副食(おかず)はどうもならないようだ。納得できない。その足でヒラメ部屋に行った。
「ここの3食とおやつの総カロリーは1.400です。ダイエットじゃあるまいし、痩せていくのは当然です」
「あらぁ・・・そんなに」
と驚くどころか、涙袋を浮き立たせての微笑み返しである。

この表情をどこかで見たことがある。聴覚障害者の雇用の時の「おとぼけ」だ。まさか、経費節約とかで食材費を削っているわけではあるまいな、ヒラメ。ヒラメは私の報告を聞いても、委託業者に確認し今後の対策を講じると言うわけでもなく「ごくろうぅさまぁ」と、この話を打ち切った。

ヒラメは三食「検食」を食べている。朝食・昼食・夕食だ。
学校や施設で、異物混入がされていないか、腐食していないか、変な味がしないか等を予め確認することになっている、それが検食である。検食した者は、その他に味や量や色彩などの見た目も評価する。この評価に基づいて、栄養士はレシピに反映させる。検食は、食生活を楽しんでいただくための大事な仕事なのである。

特別養護老人ホームでは、施設長は当然だが、中堅クラスの人間には順繰りに検食が回ってくる。相談員も然りだ。リーダーの介護士も食べる。そうやって、事細かに感想を書かなければならない。食べないと高齢者の食生活を把握できないのだ。

が、このブラック社会福祉法人では、施設長が日々のごはんとして三食の検食を食べているのである。

その食べている姿を見ると、なあんも、考えずに、何かに書くわけでもなく「ごちそうさまぁ」と厨房に食べた食器を返しているのだ。

ヒラメは検食を食べられてラッキーとでも思っているのだろうか。情ないことだ。来年にやってくる監査で「検食:朝ヒラメ、昼ヒラメ、夕ヒラメ」と何カ月も続いた書類を見て札幌市はなんと言うだろうか。これは問題になりまっせ、ヒラメ。

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施設横の公園の松。さて、施設内には霊が出るそうだ。なにもかも恐怖でござる。

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2014年09月15日

札幌市西区西野の蕎麦屋「やま賀」に行く。

札幌で最も好きな蕎麦屋「やま賀」に行った。

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住宅地にある古風な佇まいの蕎麦屋である。店の周りは小奇麗にしており気持ちがよいのだ。

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私は凝るとそればっかり。以前は鴨せいろの時代が続き、今はかき揚げせいろにはまっている。ここのかき揚げせいろは、帆立てやえびがたっぷり使われている。前はタコも入っていたのだけど・・・。とにかく、素晴らしく美味しい。更科そばは絹糸のように透明で美しくしゃきーんとしている。喉ごしが良い。

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いつもは大盛の蕎麦を頼むが今日はほっきごはんを注文。最近は観光客目当てかこういうものも出しているのだ。

店の外装、内装、接客も良く、トータルで素晴らしい。そば茶の器は凝ったものを使っていて、一つ一つ違うので楽しい。良い仕事をしている蕎麦屋だ。

一度は行く価値あります。
では、ごきげんよう。

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posted by 雪あらし。 at 22:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 食べたり飲んだり。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月14日

夏目漱石著『こころ』と『坊っちゃん』

KINDLEで通勤時に本を読んでいる。電子本は書籍と比較して安価だし、家にいて数秒でAMAZONからKINDLEにダウンロードできるからすこぶる便利である。おまけに暗いバスでも読めるし、コンタクトをはずした後は、文字を大きくして読めばよい。読んでいる途中で寝てしまうと、画面はそれを察知してクローズしてくれるのだ。

おまけにKINDLEにはタダ本がある。それも夏目漱石や太宰治や芥川龍之介ら煌めく「ザ・文豪」の小説である。今回は夏目漱石と芥川龍之介をAMAZONから仕入れてみた。

漱石から『こころ』と『坊ちゃん』、芥川からは『蜘蛛の糸』である。三冊とも読んでいるが、小学生の時のジュニア本なのか、中学生か高校生の時に読んだ本なのかまるきり憶えていない。ストーリーもあやふやである。

こころ -
こころ -

大人になって読み返すと、いろいろな発見があるもんだ。『こころ』の先生は「高等遊民」だった。高等遊民で生活に困らない先生は反則技で妻を得ることになるのだが、その反則技に自分自身も締められことになる。なんだかんだとあり、結果的に死んだ友人からの霊界四の字固めに苦しめられて、最後は自爆するのである。

この本が根強く人気があるのは、人間の持つエゴをテーマにしているからに相違ない。他者への嫉妬やそこから結果的に生じる(自分自身への)怒りを長年に渡り持ち続け苦しんだ先生。現代人ならそんなのクソクラエと笑うだろうに、笑えね沢山の人が今日も『こころ』を読むのである。

坊っちゃん -
坊っちゃん -

「親譲りの無鉄砲で小供の頃から損ばかりしている」の有名な文章で始まるこの小説は、『こころ』の作者と同一?と思わせるほど作風が異なっている。劇画を興したような臨場感溢れる面白い小説である。それにしても、坊ちゃんのような教員がいたら迷惑極まりない。なんだ、こやつは?

そんな坊っちゃんの教員生活は僅か一カ月である、長続きしない奴だ。

さて、特筆すべきは清である。坊っちゃんは清という何くれとなく面倒を見てくれた母親のような存在を忘れていない。しつこいくらい清を思い出すのだ。「親譲りの無鉄砲」な坊っちゃんは心優しい青年なのである。

一つ押せばきっとイイこと。二つ押せば悪魔除け。
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posted by 雪あらし。 at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 趣味は読書なのである。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月13日

タイ料理で管理栄養士の背中をそっと押す。

札幌の多くの地区で避難勧告が出た夜に管理栄養士が退職した。この管理栄養士は、オカメインコの大ちゃんと暮らしながら、常に「食」のことを考えているという真面目一方の人だ。この会の出席者は4人である。数日前に退職した「生ゴミ」の名付け親でもある声が低いケアマネ、気配りの人である居宅支援のケアマネ、立ち上げから一緒に働いているピンク色の似合うナース、そして私である。

場所は管理栄養士が全部セッティングしてくれた。その日の主役が幹事とはひどい話である。

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ビルの細い廊下の奥にタイ国がある。

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香辛料がわぁ〜と来た。

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SIAM(サイアム)だ。

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始めは、タイのビールで乾杯する。ピンクナースだけがお酒が飲めないので、ソフトドリンクだ。

沢山のメニューの中から選び、つぎつぎに食していく。
今となっては料理の名前はさっぱり思い出せないのだが、

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豚肉だと思う。この花を食用花だと言って、管理栄養士をだまくらかし食べさせてみた。特にお腹は痛がっていなかった。

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鶏肉かと・・・。美味しかった。

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パパイヤのサラダ。4つのレベルがあり、平均のレベル2つ目を頼んだが、非常に辛い。辛さにのたうちまわっていると、正面に座る声の低いケアマネがその様を嬉しそうに見ているのである。

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ご存じトムヤムクン。私が最も憎むスープである。ほとんど飲めず。

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やっと食べられるもの登場。春巻き。

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春巻きの優しさもほんのひと時。次に登場したのはグリーンカレーで、こいつも辛い。

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ニンニクとあさりの炒めもののようなものが出てきて、

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お酒はどんどん進み、

そうして、夜も更けていったのだ。
外に出ると雨は降りやみ、札幌の街にも平穏が戻っていた。

真面目な管理栄養士よ、これまでありがとう。私はあなたのお陰で助かりました。沢山のラッキーがあなたに来るように。

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posted by 雪あらし。 at 14:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 生きるために仕事をするのだ。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月12日

札幌では珍しい避難勧告の一日。

札幌は天地災害の少ないところだと思っていたら、避難勧告が70万人。札幌市の人口はおよそ200万人弱なので、この数字はちょいと驚いた。我が家の周辺の街でも避難が相次いだ。

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嵐の前の職場近くの風景。鳥が沢山集まっていた。

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翌日の朝、JR北海道は運休。直ぐに地下鉄に切り替える。結局、20分ほどの遅刻。

朝から心配メールをいただきました。ありがとうございました。お陰様で無事でした。被害に遭われた方は、早く通常の生活の戻られますように。

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posted by 雪あらし。 at 22:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 日々の出来事。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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