2015年02月24日

人相が悪い女性ヘルパー。

私は今グループホームのアルバイトの介護支援専門員(ケアマネジャー)である。時給はまあまあ高いし気楽といえば気楽である。たかがアルバイトの仕事であり、次にやるべきことの準備をしながら静かに仕事をしているつもりである。

そのグループホームの勤務初日から気になる女性ヘルパーがいた。年の頃なら40前だ。人相が悪い。なるべく関わり合いにならないほうがよいと思った。

管理者は、研修モドキの時に、「今、このグループホームは改革の時なんです」と言った。そして、自分も着任したばかりだと言い、「恥ずかしいんですが、ホームの中でいろいろと不祥事があったんです」と暗い顔をして説明した。首謀者のヘルパーはとうに辞め、管理者も交代した。「ここはシロウト集団なもんで、スキルアップを図っていきたいんですよ」、そうして、「是非、お力をいただきたい」と言われた、「はい」と答えたが、アルバイトの10日しか来ない身で不思議なことを言う会社があるもんだと思った。与えられた仕事はきちんとやるが、私は管理職ではない。「お力」は、持ち上げなのか、安い労働力をしっかり使うのかはわからないが、私はここでは、冒頭に書いたように静かにしたいのであった。

ところが、ちょっとでも勤務してみると気になるところが出てくる。人質事件の発言の前から私は人相の悪い彼女の発する言葉が気になっていた。彼女は出勤してエンジンがかかると、入居高齢者に切れ間なく話し彼らの行動を決めていく。同僚と話す言葉よりも数段高くなり、幼児に言い聞かすように話す。私がいる事務室(とは名ばかりだが)があるところから聞くと、それは小バカにしたように聞こえるのである。

グループホームはワンフロアに9人程度の人が暮らす。日中、二人くらいのヘルパーが介護をしたり、三食の料理を作ったりするのである。狭いリビングで少人数で動いているとそれぞれの介護力がはっきりわかる。介護の力は優しさや強さも包括する。寄り添い方や話し方や、その人の生き方みたいなものが浮き彫りになるのだ。

人相の悪い女性ヘルパーがある高齢者女性に当てこすっている。
ぐちぐちと言った後で、
「どうして、そう指示が入らないのかねぇ」
とやれやれという感じで嘆いてみせた。

80代後半の女性に言い放ったこの言葉に言う方も聞く方も違和感を感じなければ、その施設は破綻している。このような言い方を、非常に古い意識の介護人がすることがある。措置制度時代に使用されていた言葉だ。養老院といわれる時代から運営してきた施設では、介護人を「先生」とか「寮母さん」と呼ぶ高齢者がいる。上下関係ができあがっているのだ。「先生」と呼ばれて悦に入っている奴らに反吐が出る。失礼。

元に戻そう。
「どうして、そう指示が入らないのかねぇ」

指示は指図であり、命令である。
人相の悪い女性ヘルパーは、「どうして、私の命令が聞けないの?」と言っているのだ。

言葉は続く、
「あんまり言うこと聞かなかったら、晩御飯、あたんないよぉ」
「そうなったら困るでしょう?だったら、ちょっと静かに待っててちょうだいな」

これをアニメのような声でいうのだ。胸の奥に怒りの塊のようなものが弾む。まだ、聞こえる。

股関節が悪い高齢者に向かって
「なあに、ビッコ引いてんの?」
と言った。

事務室から出て行き、
「人相さん」
と声をかけた。

「はぁい」
「ビッコというのは差別用語だから止めて下さい」
「はあ?」
不満そうな顔をしている。
「だったらなんて言うんですかぁ?」
「足を引きずると言って下さい」

これを聞いていた専門学校を出たばかりの気の良い若者が、「びっこって差別の言葉なんですか。知りませんでした」と無邪気な顔で私を見た。

人相の悪い女性ヘルパーも何も知らないだけなのだ。ただ、知らないということは、とても罪悪なのだ。

ぽちりん↓ありがとうございます。

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posted by 雪あらし。 at 21:02| Comment(6) | TrackBack(0) | グループホームって? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
泣けました・・・

たぶん人相の。。。ヘルパーの方も、
誰かに傷つけられてきて、
仕事にも日常にも疲れて心が荒んでるのでしょうけれど・・・。
人の辛さが想像できないのですね。
自分が年を取ることも、想像してみないのですね。
そんな方が、介護のお仕事をしているのですね・・・。

怒り、心痛めながらも、
ご自分の信じるお仕事を、存分にして下さいね。
雪あらし。さん・・・。


Posted by みやび at 2015年02月24日 21:28
★みやびさん、こんばんは♪

コメントありがとうございます。

そうですね、そのようになった状況が必ずあるわけですね。
すっかり大人になり、子どももいる彼女のその言動に呆れたり怒るのではなく、冷静に対処していきたいと思います。
みやびさんのコメントでちょっと引いて考えられると思います。
ありがとうございます_(._.)_

人は必ず年を取ります。
最後は誰もが障害者になって亡くなると言います。
自分の順番になったときに、若いというだけが取り柄の介護人に、「指示が入らない」「言うことをきかないとごはんがあたらない」と言われる悔しさをそれぞれが想像してみないといけませんよね。
想像できない人はだめです。
また、私、気がつくたびに言ってしまうのです。
(;一_一)どうしましょうか、みやびさん!
Posted by 雪あらし。 at 2015年02月24日 22:40
大好きな雪あらし。さん、こんばんは〜

たぶん私でも、言ってしまう、と思います。
むしろ・・・行って私も一緒に言いたいです。
良し悪しは、「動機」によると思うので、雪あらし。さんのなさることには全面的に応援したいです。

私は職場で温厚と思われていたと・・たぶん(汗)・・思いますが、
あまりの怒りに、場所も考えずに怒鳴りまくったことがあります・・・年上の同僚の方に。
障害ある生徒へのあまりの心ない言動が許し難かったので。
その後、その方としみじみお話もしました。
その方も生徒と似た障害の、でも知的にはとても高い(と自分で言っていた)大人でした(汗)
怒りのコントロールができなかったことに反省の余地はありましたが、
今でも、まずいことをしてしまった・・とは思っていません〜。
 
言いたいことを言わない方が、後悔しますよね。

Posted by みやび at 2015年02月25日 19:05
雪あらしさん、こんばんは^_^
知らないという事は大変な問題ですよね。
私も肝に銘じて発言しないと!
でも私の職場でもその様な言葉を聞く事がありますが、雪あらしさんの様に注意してくれる人がいないのも
問題ですよね。
Posted by 赤鯉 at 2015年02月26日 18:27
★みやびさん、こんばんは♪

みやびさんが温厚な人柄というのは文章で充分に伝わってきます(^−^)

レインボーフェスティバルが最後ということで、今日ちょっと友人とお邪魔しました。
みやびさんの関わっていた世界・・・なるほどと思いました。
沢山の生徒さんたちが来て記念撮影をしていました。
わいわいがやがや、楽しそうでした。
友人にとっては知らない世界でもあったようで、感動したり新鮮だったようです。

みやびさんも怒りを感じて、スパークしたのですね。
私も理不尽なことに対して激しく炎を上げますが、みやびさんのようにその後で当事者とうまくコミュニケーションがとれるかというと、正直なところ難しいです。
自分の思いを伝え、そして、修復を図る・・・ここまでいくことが大切ですね。
(*^_^*)
Posted by 雪あらし。 at 2015年02月27日 22:36
★赤鯉さん、こんばんは♪

赤鯉さんのコメントを読んでしばし考え込んでしまいました。
難しいですよね(ーー゛)。
何を教えればいいのでしょうか。
相手は40を目前にした大人で、子どもを教育している母親であります。
「あなたの言葉は差別用語ですよぉ」と伝えなきゃいけない辛さ。
そういう人材ばかりが福祉の世界に集まってきている憂鬱、
とても悩ましいです。
Posted by 雪あらし。 at 2015年02月27日 23:06
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