2015年03月13日

ある介護職員の小さな話。

どこの施設にも、よい人材がいる。そういう人がいると私は誰にも言わずに注意を払う。年下であっても、年上であっても、男でも、女でも、職種が違っても関係ない。そういう人はいろんなことを教えてくれる。

今いるグループホームでも一番若く経験の浅い職員を私はじっと見ている。いつも穏やかな笑顔で入居者と接し、不慣れな食事作りにも一生懸命だ。理不尽な先輩の要求にも気持ちよく応じている。こういう人がスキルを身につけたらなかなか良い介護士になるだろうなぁ思うのである。

「ボクは売られた喧嘩を買うどころか、そのまま逃げちゃうんですよ。穏やかに生活したいというか、自分の世界にそういう人を入れたくないので黙っているだけです」と言う。介護業界ではトゲトゲしいオーラをまとった人間が少なからずいる。そういう人に対しても、「まともに相手にしていても自分が疲れるだけですから」と大きな体を斜めにして静かに話す。

彼の視点は面白い。高齢者は80代から100歳超の女性がほとんどだが、若い頃に会ってみたい女性がいるらしい。「あの人は目が大きいからかなりきれいだったと思うんですよ」「あの人はなかなかブラックなところもあって面白いです」と話すのだ。

高齢者は突然高齢者になったわけではない。誕生し、青春時代を送り、働き、年老いて今がある。施設職員の多くが介護業務に追われ身体機能にしか目がいかなくなり、その人の生きてきた長い貴重な歴史を忘れがちになる。だが、彼は高齢者の過去も見ながら介護しているようで、私は静かに応援しているのである。そして、とても勉強になるのだ。


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posted by 雪あらし。 at 11:49| Comment(6) | TrackBack(0) | グループホームって? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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