2015年01月28日

森 瑤子著『望郷』 / リタの歩んだ「マッサン」との人生

望郷 (角川文庫) -
望郷 (角川文庫) -

日本のウィスキーの父と呼ばれるニッカウヰスキーの創設者竹鶴正孝の妻リタの64年間の生涯を描いた物語である。ウィスキー誕生までの苦難と成功をリタの視点から見るとまた面白い。第二次世界大戦を「敵国日本」で過ごさなければならなかった辛さ、孤独、差別、そしてこの小説のタイトルである「望郷」の念。養女リマへの厳しい躾、正孝に手紙で指摘されるほどの完璧主義ぶり。ここら辺りは、なかなかNHK連続テレビ小説「マッサン」では表現できないところだろう。なにしろ、テレビのエリーは良い人で、良い人過ぎて困るくらいなのだ。黒エリーも顔を覘かせるこの小説は人間らしくてなかなかのお勧めである。ちなみに私はこの小説をブロ友のみやびさんから教えていただいた。復刻版である。みやびさん、ありがとうございます。

さて・・・内容をざっくりと、
ジェシー・ロバータ・カウン(通称リタ)は、スコットランド・グラスゴーの郊外に医者の長女として誕生した。町一番の邸宅に住み、医師として人間として町の人々から信頼の厚い父親と、いつも明るく料理が上手な母親の元で幸福に過ごしていたリタだったが、元来、腺病質な子どもで臥せっていることが多かった。成長し許婚と恋をし体にエネルギーが漲るような青春を送るのだが、彼は第一次世界大戦であっけなく死んでしまう。

ある日、グラスゴー大学の医学生だった妹エラが日本人を連れてきた。大きな黒い瞳、笑うとこぼれるような白い歯、後にウィスキーを嗅ぎ分けることができると自慢の種になる高い鼻、そして髭。それが竹鶴正孝だった。竹鶴は湖のような青い大きな瞳を持ったリタに一目ぼれをする。二人は急速に仲良しさんになり結婚することになった。竹鶴はリタに、「僕はここにいてもいいんだ」と言っていたが、リタは日本で生活することを決心する。1920年のことである。正孝とリタは50日間かけて横浜港に到着した。

誇り高いスコットランド人のリタは神経質で完璧主義。自らも他人も時間に厳密であることを望む。仕事には厳しいが人情味溢れる竹鶴と比べて、厳格なリタはニッカの社員たちからもあまり評判はよろしくない。遠縁ではあったが、赤ん坊の時に乳児院から引き取った養女のリマは、何度もリタと衝突をし、20歳の時、工場に勤める若者と駆け落ちをする。それを知った時、正孝は工場の横で膝を抱えて泣いていたという。

もともとリタが資質として持っていた神経質な部分に加えて、外国人をもの珍しく観察する日本人の視線に耐える生活で自己保身が強くなっていったようだ。初対面の相手が外国人の自分をどう思っているのか、受け入れてくれるのか、気味悪がっているのかを見抜くように青い瞳でじっと見つめた。養子になり、二代目のニッカ社長となる威(たけし)と会った時もそうだった。学生だった威はリタに射るように見られ「なんと冷たい目だろう」と思ったという。しかし、相手に悪意がないと知ると親しげに振舞うリタだった。

第二次世界大戦当時の北海道余市、外国人など見たこともない田舎の人たちに囲まれて、石を投げつけられ、特高から土足で家に入られ、外出も止められたリタだった。神戸時代に知り合った友人たちが、ぞれぞれの国へ引き揚げてしまった時は辛かったそうだ。母親ときょうだいから大反対され日本に来たリタは、ただ竹鶴正孝だけが頼りだった。正孝もそれは十分にわかっていたようでいつも宝物のように大切に接していた。リタの正孝への献身も見事なもので日本食からスコットランド料理までプロ並の腕前だったという。

湾岸戦争の時分に、スコットランドへ行ったことがある。ネス湖のあるインヴァネスという所だ。ネス川を望む静かな町で一人いろいろなことを考えることができた。そこにも普通の人間の生活があった。美味しいニオイが夕暮れた町から漂ってきて、ふっと柔らかい気持ちになったのを覚えている。どこでも人の生活はそれほど変わらないのだと、私はどこでも生きていけると思ったものだ。

正孝と日本に行くことを決めた時、妹のエラはリタに、「人生の中で耐えがたく苦しいのは望郷の念ですって。地の果てのニッポンで、故郷を恋こがれてのたうちまわるといいわ」と冷たく言い放った。体調を崩した晩年のリタは、夏は余市で冬は逗子で過ごしていたが、亡くなる前年の秋に余市に帰ることを望みそこで亡くなった。竹鶴夫妻の墓は余市の小高い丘の上にある。そして、北海道は、余市は、スコットランドよく似ているのだ。

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2015年01月27日

ベルギー料理の店「フランダースの犬」札幌市中央区/西8丁目電停前

札幌を直撃した爆弾低気圧の前日、真面目な管理栄養士がちょっと行ってみたいというベルギーの店に行った。その名も、「フランダースの犬」という。なんとも悲しい店名である。

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「フランダースの犬」の看板が見えてきた。場所は西8丁目の電車通りにある。この翌日、私は市電に閉じ込められるのだが、この時は天候も穏やかな夜だった。キンキンと寒い。

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前に行ったベルギービール「ポールズカフェ」はお兄さんが経営しているそうだ。ベルギービールは度数が高く、飲み応え十分であるが、1杯900円くらいするのだ。

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「パトラッシュ・・・疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ・・・パトラッシュ」私も疲れたが、ネロほどではない。

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店内はかなり広い。先に待っていてくれた管理栄養士がクールな口ぶりで「ここは入れ替わりが早いから、いつ潰れるかわからないんだよね」「そ・・そうなのかい?」
щ(゜ロ゜щ)

さて、彼女がクーポンで用意してくれたメニュー(2000円)は以下の通り。

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白ワイン3杯つき。

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ムール貝の白ワイン蒸しつき。

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バケットつき。

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フライドポテト(マヨネーズ添え)つき。

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ムール貝から出たソースで作ったパスタ。これは「クーポンにつかないね」(BY ベルギーの店主)サービスだ。

どのへんがどのようにベルギー料理なのか今ひとつ掴めないままに店を出て、適当に二軒目に入る。

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今後は麦焼酎を飲む。

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お通し。家で食べているようなものが出てきたので、管理栄養士に丸投げる。

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五穀米のおにぎりを1個だけ注文する。私は食べない。玄米のおいしい炊き方をお店の人に細かく聞いているのは、さすが管理栄養士である。

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あんかけ豆腐。私が食べる。

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大豆で作った肉もどきのから揚げ。私が食べる。が、肉が食べたい!肉を出してくれ!

たまたま入ったお店がオーガニックの店であった。ここも多分もう行かないだろうな。本物の肉がなかったからだ。
Σ( ̄□ ̄lll)

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2015年01月25日

人質事件について。

数日前のこと、「おはようございまぁす!」の後で、女性介護職員が大きな声で言い放った。「ねぇ、ねぇ、テレビ観た?」ハスキーな声だ。話は続く。

「好きで行ったんでしょ。何で助けないといけないわけ?自己責任っていうやつじゃん。死んでもいいじゃんそんなの」

「イスラム国」で人質にされた二人を指しているのだろう。昼休みにネットでニュースを見ると、案の定「自己責任論」が出ていた。彼女はスマホで目にした単語を、思慮するべきことなく、短絡的に反芻しただけなのだ。

後藤健二さんはジャーナリストである。彼らのような人がいなければ、私たちは現在の中東の情勢を知ることはできない。彼らが日々生命の危険を感じながら得る情報は、世界のもう一つのあり方だ。アメリカ経由の情報は、イスラムの世界を欧米の視点でしか示さない。紛争地域のピース(一片)を提示してくれるのは戦場報道人だけである。そのような後藤さんの「自己責任論」はどのようなロジックを持つのだろうか。

さて、湯川陽菜さんは後藤さんとは違うという人もいるが、彼の行いが「自己責任論」で断罪され、「死んでもしかたねぇよ」と言われてしかるべきものなのか。生きる行動の選択の一つが彼のビジネスであったら、それは彼の自己責任が問われものなのだろうか。自己責任とは、死を持って償うほどのことなのだろうか。

「自己決定」と「自己責任」は対をなし、現代日本人のほぼ全ての行動はこれは当てはまるだろう。例えば、あなたは酒に酔っているにも関わらず運転をする。それは自己決定であり自己責任が派生する。さて、コントロールを失ったあなたの車は電柱に激突してしまう。あなたは意識不明の重体となるが、あなたを「それはあなたの自己責任だから死んでもしかたがない。救急車は税金の無駄だから出さない」とは誰も言わない。命は貴い。速やかに救急車はあなたの元に到着し、医者はあなたを救うために最大限の努力をするはずだ。もし、ここで救急車が拒んだ場合は消防署は責任を問われ、医者が治療を怠った場合は病院が責任を問われる。この例を今回の場合にスライドするのは困難なことなのだろうか。人質の問題が生じた場合は、日本政府が個人を救うのは「国家的責任」ではないだろうか。

浅田彰はイラク日本人人質事件(2002年)に、「前近代のムラ社会」的意識と、人質本人や家族が「謝罪と感謝でひたすら頭を下げて回る」ことを強いる日本の精神風土を表現した。湯川さんの父親は混乱と悲しみの中で懸命に謝罪の弁を述べている。

人質にとられた人を「自業自得」というのではなく、今、イスラムの世界で何が起きているのか、9.11以降、何がここまで荒んだ中東にしていったのか、改めて私たちは考えなければならない。そして、後藤さんの命を救うためにも「自己責任」などという言葉を理解もせずに拡散してはいけない。

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2015年01月22日

ホワイト・アウトの中、市電が動かなくなるの巻。

私の勤めているところは、市電で何駅か行かなければならない。この市電というのが本当にゆっくりとした乗り物で、住宅街を縫って走っていく。

先週末の恐ろしい「雪あらし」の時、土曜日だというのに私は仕事だった。5時半に終わり、外に出たらもうホワイトアウトで、市電の停留所に着くと長い人の列が続いていた。電車は6時になっても、6時半になっても来ない。都市部というのに、真っ白で先が見えず、時折突風が吹くので電停の柱に掴まって飛ばされるのを防いだほどだった。すさまじい積雪で市電のレールも見えない。「この分じゃあ電車は来ない。あきらめよう」と列から離れる人がボツボツと出てきた。が、タクシーも来ない。こんな真っ白い風の中をどうやって歩いていけばいいのだろう。

7時を過ぎてやっと電車が来た。待っていた人たちは、真っ白な人柱のようになって、震えながら電車に乗り込んだ。そこから、大通り駅に連結する終点まで15分ほどだ。

やれやれとホッとしたのもつかの間だった。電車は少し走っただけで止まってしまった。雪がつかえて動かなくなってしまったのだ。車が埋まった時に脱出する要領で前後に揺するが、前に進むのはほんの少しだけ。電車の中はまったく暖房が効いていない。それでも外よりは暖かいから、フードや肩や凍ってしまった前髪から融けた雪がぽたぽたと水滴になって落ちる。ブーツの中のつま先は冷えてその寒さが内臓まで浸食していくようだ。

「ささら電車が来ないのかな?」と誰かが話している。あぁ、そういうものがあったな。

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ささら電車とはこういう雪かきタイプの電車で、レールの雪を取り除いてくれる。

運転手が交信している無線の声がかすかに聞こえるが、ささら電車は手一杯でまだこちらにはこれないようだ。

そこに、女性の声が挙がった。
「誰か、携帯電話で救急車呼んで下さい。この女の子の具合が悪そうなの」

ドアを挟んで向こうに見える女の子は椅子に寝かされていた。遠目にも顔が真っ青だ。近くの男性が直ぐに救急車を呼び、クラッシックバレー風ヘアスタイルの女の子に年齢を聞いている。

「12歳だそうです。一人でいます。場所は、市電の中です。いえいえ、動いていません。止まっています」

乗り込んできた救急隊員は女の子を軽々と背負って救急車の中に入っていった。サイレンを音を聞いてしばらくすると、向かいに座っていた中年男性がいびきをかきだした。

「凍死か?」
人はあまりに寒いと眠ってしまい、そのまま死ぬというではないか。しばらく注意していたが、しだいに自分の足先に感覚がなくなってくるのを感じた。
「凍傷か?」

高倉健が亡くなった時に観た、『八甲田山』の死の行軍が思い出される。彼らは大変な薄着だったそうだ。どんなに寒かったろう。寒いというのは辛いもんだ。

やっとささら電車が到着し、レールの上を走ったのは、もう8時も回っていた。

女の子はどうしているだろうか。
そして、周りの人たちは風邪を引かなかったのだろうか。

家に帰って母に聞いた、
「札幌って、昔からこんなに吹雪いたっけ?」
「むかしっから、吹雪いていました!北海道だから!」
「・・・・」

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2015年01月18日

私はブラック社会福祉法人にいるの巻 番外編その2〜精神病院に入院している「彼」の妻に会った〜

「彼」の妻からメールが来た。今は札幌市郊外の病院の精神科に入院している彼だが、「水曜日に担当医から今後についての話があると言われたので、一緒に聞いてくれませんか」という内容だった。その日は、仕事があったためお断りした。メールに、「MSW(Medical Social Worker:医療相談員)と今後のことをよく相談して下さい」と書いて送信した。折り返し、妻から「MSWとは娘のことでしょうか?」という質問が来て、「えぇ〜?」と慌てた。普通は聞き慣れない医療の専門職の言葉だろうが、もちろん娘さんのことではない。

担当医と話し合ったという夜、彼の妻から再度メールが来た。医者が言うには、症状は落ち着き、もう繰り返し大声もないので共同生活は可能だということ、入院先が急性期病院なので早々に家(今の施設)に戻るようにしてほしいということだったらしい。妻は、今の施設は24時間看る人がいないし戻るには不安だ、どうしたらいいだろうか?療養型病院がいいだろうか?老人保健施設がいいだろうか?とまた振り出しに戻るのである。

彼のいるその施設にもならないような住宅は、もともと主に貸しビル業を行っていた会社が運営している無認可の賃貸式有料老人ホームである、パンフレットに書かれている入所対象として、「概ね60歳以上で、入居時要支援・要介護の方。原則として共同生活に支障のない方」と書かれている。高次機脳機能障害を抱えた彼が入るような所ではない。こういうところを勧めるブラック社会福祉法人のヒラメや鬼かわらや金魚の糞の見識には寒気がする。生命も人権も考えていない。

だから、かつてメールで「この施設に入りたいと思います」と彼の妻から言われた時には反対した。夜に倒れていたらどうするのか、夜中に大声をあげたらどうするのか。彼は「高次脳機能傷害」という深刻な病気なのである。そんな人間をどうして「一人暮らし」させることができるのか。しかし、「ケアマネ(鬼がわらとその金魚の糞)さんが勧めてくれるので」と入居したのだった。今の彼の状態はケアマネにとっても充分に想定内だったはずだ。

彼の妻から「今後どうしたらいいだろうか」と相談を受け、仕事帰りに途中駅で降り久しぶりにお会いした。ちなみに、私は彼の妻から相談料を受け取っているとか飲食をご馳走になっているとか一切ない。
あしからず。

ここで、もう一度二人でおさらいをした。
@主治医から紹介を受け、現段階では最良と思われる精神病院の医師の受診を断った理由は何か。
A現在の施設は充分な介護を受けられないと知っていたにももかかわらず入所した理由は何か。
B現在の精神病院は典型的な古い薬物療法を主とするタイプの病院であり、@の病院と比較してなぜその病院を選んだのか理由は何か。
上記の@からBは彼の妻が選択したものだ。そこをクリアにしてからでないと前に進めない。

彼の妻の回答は、
@病院内の雰囲気が好きになれなかった。
A現施設は信頼するケアマネ(鬼がわらと金魚の糞)が勧めてくれた。
Bこの病院にはテレビで有名な医者がいると聞いたので決めた。しかし、担当医にそう聞くと「そんなに良い病院ではないですよ、その医者ももういないですから」と言われた。

@は、感覚的な感想である。この病院は札幌市内では高度な精神医療が行われている数少ない病院の一つである。医者は、施設にいながら受診できるよう言ってくれた。

Aの今彼の住んでいる施設(というか住居)に関しては、ケアマネジャーの話を聞き入れたということは、私の信頼度が低かったということである。現職を離れてはいたが、施設内容に関しては十分な説明責任は果たした。今の施設選択でのトラブルは充分な予見の範疇であり、本来は鬼がわらと金魚の糞に相談すべきだろう。

Bを聞いた担当医は気の毒である。「この病院にテレビに出た有名な先生がいると聞いたからここは信頼が持てると思った」と言われたら医者も気分は悪いだろう。冷たい先生だと思ったと妻が言っていたが、これを聞かされてにっこり笑えるとしたらよほどの器量の先生だ。

彼は昨年11月に65歳になった。日本の年金受給開始年齢である。同い年の芸能人を、ざっと挙げると、市村 正親、佐藤 B作、武田 鉄矢、風間 杜夫などなど、そして、 矢沢の永ちゃんもそうらしい。彼もまだまだ長い人生を送るべく男性の一人であろう。だからこそ、慎重な選択が必要なのだ。@からBはすべて妻の感覚的な結論なのだ。そういうと、彼の妻は「私がバカだった」とうなだれるのであった。

しかし、そういう姿を見ると、他の元同僚の言うように、「ブラック社会福祉法人に入所しなければ」というはじめのはじめに気持ちは戻ってしまうのである。ボタンのかけ違えに。

しかし、それでも私は彼の妻と話したことで肩の荷が下りたような気がした。ブラック社会福祉法人の現看護師が言うように、点が線に結び付かないのは残念だったが、彼に必要だと思われる点はその都度提示したのだ。それと同時に必要ではない点も説明した。どの点が活かし活かされなかったのかは、家族の選択によるものだ。それを踏まえて、彼の妻には今後は慎重に考えていってほしいと思う。私もできることはお手伝いできればと思っている。

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2015年01月13日

茶話本舗がアミューズメント会社に買収された。

グループホームのアルバイト介護支援専門員になってから初めての会議があった。会議は二つで17時45分から2時間くらいだ。会議の始めに、スキンヘッドの管理者海坊主(ウミボンズ)から挨拶として、今話題になっている介護報酬の引き下げの話がざっくりとあり、次にフランチャイズで有名なお泊りディ「茶話本舗」がアミューズメント系の会社に買収され、丸投げした藤田英明代表は相当儲けただろうということを若干コーフンした面持ちで話した。藤田英明という人は介護業界の立身出世の人で、最初に「お泊りディサービス」というものを考えついた人だ。ウミボンズの話ぶりからして、藤田英明は憧れの人らしいのである。

私が、「お泊りディ」という妙な名前を知ったのは、5年くらい前のことである。特別養護老人ホームのショートスティが満床のために泊りたくても泊れないという人は沢山いる。ちなみにショートスティは、厚生労働省が介護保険制度上で作った家族の介護疲れ軽減のためのレスパイトサービスの一つだったが、いつの間にやら施設に入居できない高齢者が使用する代替システムになってしまった。もちろん家族の風邪や旅行で数日で帰宅する人もいるが、最大1カ月を繰り返し利用しロングスティのような状況の人も少なくないのだ。

ショートスティ申し込みも早い者勝ちだ。利用できない高齢者は、複数の施設の宿泊を渡り歩いている。月のうちの3週間はAという施設、残りはBというように高齢者にとって酷な状況である。特に認知症は環境の変化が一番良くない。住み慣れた我が家に帰りたいのに帰れない辛さは、本人でないとわからないだろう。介護保険料もバカにならない。そこに目をつけたのが、茶話本舗の藤田英明氏である。

まずは朝自宅に迎えに行きディサービスを利用してもらう。これは介護保険報酬の9割が自治体から確実に支払われる安定収入だ。そして、宿泊は素泊まり1泊800円の無認可の木賃宿だ。食事は3食1000円。自宅に帰らずにずっとそのシステムを利用することができる。宿泊は違法ではないからだ。一カ月フルに利用しても8万円と少しくらいだ。

茶話本舗のコンセプトは「自分の家のように寛ぐこと」である。そのため民家を利用しているが、賃貸でありコストを安く治えているのだ。狭い民家で雑魚寝のところもあったというが、家族にとっては受け入れてくれる場があるのは助かるのだろう。今回の介護報酬引き下げは、茶話本舗潰しという噂もあるが、ここ数年の収益は良くなかったらしいので本当ではないだろう。介護ビジネスを作っては、売却し富を得てきた藤田氏が、今後ただ親会社の役員になっているとは思えないのだが。

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2015年01月11日

冬の小金湯温泉「まつの湯」

三連休であるが、明日はなんとか会議があって出勤なのだ。今日は久しぶりに小金湯温泉「まつの湯」に行った。

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冬の小金湯温泉「まつの湯」

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雪に囲まれた豊平川上流。

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川の水は澄んで美しい。

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左に写っている建物が露天風呂だ。お湯は熱いが、頭と顔に小雪が降り冷たく気持ち良い。露天の壁に設置されたライトに降りしきり雪が浮き出てとてもきれいだった。写真に撮れないのが残念だ。雪の露天風呂もまたいいもんだ。

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帰りの駐車場で。しんしんと降りしきる雪。後は気をつけて帰るだけ。

明日の朝は早い。おやすみなさい。

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美瑛町「青の池」〜真冬のライトアップ〜

元同僚の地獄のケアマネから素晴らしい写真が届いた。独り占めするにはもったいないので掲載しよう。この池まで辿り着くには結構な距離の雪道を歩かなければならない。地獄よ、貴重な写真をありがとう。

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美瑛にある「青の池」である。冬季は凍り積雪になる。日没前の「青の池」の空と雪の色が美しい。

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日も落ちて微かな藍の色に染まる幻想的な「青の池」である。

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posted by 雪あらし。 at 10:58| Comment(10) | TrackBack(0) | 北海道はお好きですか? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ダイニングバー「ねじ式」

ねじ式」というのは1960年代雑誌ガロに掲載された漫画だ。それはなんとも奇妙な話が次から次へと出てくる気味の悪い漫画だった。

ある男は海でメメクラゲというクラゲに左腕の静脈を噛み切られる。男は病院を探して知らない町を歩き回るのだが、なかなか医者がみつからない。あっても眼医者ばかりとか、現実離れした不思議な出来事に遭遇する。それでもやっと見つけた女医が男の腕を手術(シリツ)して静脈を繋いでくれた。それは「ねじ式」というやり方だった。

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この貧乏臭い顔した男が主人公である。

という「ねじ式」だが、札幌の住宅街に偶然この名の店を見つけた。この日は身も凍るような寒さの日で、一緒に行った友人は病み上がりで、私は弁護士との話し合いの最中だった。双方とも憂鬱を抱えての「ねじ式」だった。

誰か、私のこころのねじを巻いて下さいな。

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ねじ式
漫画と全く関係ないそうだ。なぜ「ねじ式」なのだろうね。

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店内は落ち着いた大人の空間的な感じである。

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ここでも飲み放題という恐ろしい選択をする。

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料理は総じて美味しくもなく不味くもなく。

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エリンギやしめじを焼いて、ちょっとスウィートチリ的なたれにつけて食べるというものだ。これは料理なのだろうか。居酒屋的な一品である。

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家でもできるので参考にしよう。

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牛のほほ肉のワイン煮込みか何かだった。

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ごはん系。

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パスタ。

食べログでは「名前負け」という評価もあったが、それは行って確認して下さいね。

では、ごきげんよう。

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posted by 雪あらし。 at 09:30| Comment(14) | TrackBack(0) | 食べたり飲んだり。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月10日

グループホームで緩く働く。

今アルバイトしているグループホームは月10日間の勤務である。主な仕事は1年がかりで1階9名のケアプランを作り、2階9名のケアプランのチェックをするくらいなので正直言って暇である。今後、定職に就いても日数を減らしWワークとして継続できるようなトコロである。

スキンヘッドの管理者も穏やかだ。介護スタッフの皆さんもわからないことがあれば気持ちよく教えてくれる。10日しか勤務しないということは、入居者の動向がなかなか把握できないということである。ゆえにスタッフに頼らざるを得ない。そのためにも良好なコミュニケーションが必要だ。

お昼ごはんはだいたい12時からだ。ノックをして入った小さな休憩室に先客がいた。介護職男子である。私は人見知りである。多分、私と会った誰もが信じられないと笑うだろうが人見知りなのだ。社交的に見える人が社交的とは限らない。家でへとへとになっているかもだ。昼休みに一人になりたいなと思いながらも、少しでも皆と仲良くしなければならないと笑顔で席に着いた。

二つあったみかんを介護職男子に渡しながら質問してみた。
「このグループホームはどう?」
「まだ勤めて3カ月だから、なんとも言えないけれど、前の特養に比べると緩いっすね」
「確かに特養は施設に一歩入った時から何があるかわからないような所だものね」
生と死、拘束と自由、インフルエンザとノロウィルスの恐怖と予防、家族の緊迫した顔と依頼とクレーム、同僚間の人間関係、先輩後輩、上司に部下、看護師と介護士、相談員と看護師、それらが施設の中で渦のようになっているのが特別養護老人ホームだ。そんな緊張状態とはまったく異質な緩いポワンとした雰囲気がそこのグループホームにはあった。

彼は介護福祉士を取っている。近いうちに重要なポジションが与えられると少し嬉しそうに話してくれた。
「自分、これで転職4回目なんですよ。これで最後にして落ち着きたいんです」

*******
介護士マッキーは本日をもって退職となった。疲労が重なったのかインフルエンザに罹ったようだ。しっかりと治して、再スタートをきってほしい。お疲れ様でした。

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posted by 雪あらし。 at 20:20| Comment(4) | TrackBack(0) | グループホームって? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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