2013年04月30日

ラーメン店「糸末」(札幌 狸小路6丁目)

「札幌ラーメンで美味しいとこ教えて」と東京人に聞かれると、「『糸末』かなぁ」と答えていた私。とんでもないガセネタであった。糸末はとっくの昔(十数年前)になくなっていた。


この新生糸末は偶然見つけたのだ。
「どうしてこんなトコに糸末があるの?」ってな感じ。


昔の糸末と言えば、映画館の横でおばちゃんたちがワッシワッシと作っていた。ガッコ帰りの腹ペコな私たちのお腹を満たしてくれた店だ。


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『糸末』がある狸小路6丁目。
札幌の皆さん、さぁ、歌いましょう!『一丁目から八丁目ぐるりときれいなアーケード、狸小路、狸小路は楽しいマチよぉ♪』
しばらくぶりで行った狸小路。古めかしいままである。


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昨年オープン。親戚の人が暖簾を出したそうだ。
店内は細長い作り。とても清潔。若い男性が厨房を担当し、若い女性が接客担当である。とても、元気よく気分よし。


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醤油ラーメン。700円。安い。


札幌地方、本日はとっても冷えた日。
いつもなら味噌ラーメンと言いたいところだが、気分的に醤油ラーメンを注文。ラードの膜で湯気があがっていない。あっつあっつで、玉ねぎやネギやにんにくや生姜の炒めたエキスがスープに融けんで・・・美味しいな。麺は札幌ラーメンの黄色ちじれ麺だが、醤油色に染まってしまっている。しかし、しょっぱくない。きりりとした美味しさである。
これは美味しい。

今度、札幌で美味しいラーメン屋さんは?って聞かれたら、「田中商店」と「糸末」と答えようっと。


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2013年04月28日

近藤誠著『「余命三か月」のウソ』

「余命3カ月」のウソ (ベスト新書) [新書] / 近藤 誠 (著); ベストセラーズ (刊)

「余命3カ月」のウソ (ベスト新書) [新書] / 近藤 誠 (著); ベストセラーズ (刊)


次から次へと出版される近藤誠医師の本。


がんの利権で食べていると名指しした大学、医師会、医師(特に外科医、がん専門医)、製薬会社、厚生労働省、マスコミを敵に回して大丈夫なのか?中村勘三郎や逸見政孝のがん治療を失敗と断罪し、国立がんセンターの名誉総長の妻の肺がん治療のすさまじさを怒りを込めて書いている。がんの恐ろしさではなく、がんの治療をする医者の恐ろしさを書いている。


今言わねばいつ言うかという感じが伝わってくる。以前に書いていたように、慶応大学病院講師というポジションが説得力を持つという姿勢で、定年を前にスピードを上げているのか。同じ主張を声を大に繰り返すのは、裏付けされたデータや経験があるからなのだろう。


私が近藤医師の本を買ってしまうのには理由がある。この人には、もし家族が、もし自分が患者と同じケイスだったらという想像力があると思うから。多くの医者は病巣しか診ないが、この人は患者の心を見ていると思うから。


「余命三カ月だねぇ」と勤務していた特別養護老人ホームに併設の診療所の医者は家族に簡単に言った。まるで「天ぷらそば下さい」みたいに。家族が落胆し帰った後で、私に、「あのさぁ、少なめに言うの。その方が「先生のお陰です」ってなるわけ。長めに言って死んじゃったりすると、面倒な家族なんかクレームつけるからさぁ」。自分の生活が大事で「薄笑いで」頷いた自分が恥ずかしく情けない。


きちんと物事を見極めるために父と母が教育を与えてくれたのに、愚かにも給料や安定のためにこういう医者やその一族に迎合しその施設を離れることができなかった自分の根性に対して今思い出しても胸糞が悪くなる。


がんは三人に一人の病気だ。
この機会にお互い考えませう。


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2013年04月27日

渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』

置かれた場所で咲きなさい [単行本] / 渡辺 和子 (著); 幻冬舎 (刊)

置かれた場所で咲きなさい [単行本] / 渡辺 和子 (著); 幻冬舎 (刊)


著者は85歳。ノートルダム清心女子大学の元学長、現在はノートルダム清心学園の理事長をしている。学長になったのは36歳という若さだったというから驚きだ。


このことで大学内に波風が立ち、新学長であった著者に「挨拶もしてくれない」状況が続く。しかし自分から挨拶をするようになり、周りの状況も変わっていったと、「挨拶をする重要性」を説く。


確かに学長に向かって挨拶しない学生や教職員がいたことにも驚くが、学長であっても新任者なのだから、一歩引いて挨拶してもよろしかろうと思ったりもする。


ご自分のことを「気が強い」と何度か書かれているので、戦闘モードであったのかもしれない。


この本に関して、「上から目線」「差別的な物言い」等の読者からの批判があるようだ。キリスト者だから、人に優しく平等であることに心している者ばかりではないだろう。過度な期待は禁物かな。


日本人はクリスチャン、とりわけシスターというと人格者のように思いがちだ。
キリスト教そのものが決して平等なものではない。聖書の言うmanとは人間のことであり、女性はアダムのあばら骨から作られたモノである。茶色い人であるイエス・キリストが白い色で描かれ、ローマ法王には黄色い人や黒い人はいないではないか。


キリスト者には強く激しい人が多いように思う。しかし、強く激しいからこそ、闘えるのだ。愛する者のために自分の信念のために、もちろん信じる神のために。


二・二六事件で殺害された父親渡辺錠太郎との父娘関係の描写と錠太郎殺害時に9歳だった著者を座卓の裏に隠す様子など胸を締め付けられる文章もある。


しかしながら、
本そのものはインタビューや雑誌で話したことの寄せ集めであり、特に引き込まれるものはない。


この本が違うタイトルだったらここまで売れただろうか。出版社の戦略勝ち。


私は、這いつくばっても自分で自分を置く場所を考え、毒花でもペンペン草でも思いっきり咲かせたい。「咲きなさい」と言われる筋合いはない。


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ありがとうございます。
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2013年04月24日

渡辺淳一著『雲の階段』

新装版 雲の階段(上) (講談社文庫) [文庫] / 渡辺 淳一 (著); 講談社 (刊)

新装版 雲の階段(上) (講談社文庫) [文庫] / 渡辺 淳一 (著); 講談社 (刊)

新装版 雲の階段(下) (講談社文庫) [文庫] / 渡辺 淳一 (著); 講談社 (刊)

新装版 雲の階段(下) (講談社文庫) [文庫] / 渡辺 淳一 (著); 講談社 (刊)


渡辺淳一の本は「エロオヤジ系」と「伝記系」と本業の「医療系」に大別できる。


「エロオヤジ系」は『北都物語』や『失楽園』など多数。主人公は男。渡辺淳一センセには女は2種類しかいないようだ。家にいる女(生殖の妻)と外にいる女(快楽の愛人)である.



妻は貞淑である。かたや愛人は、裸ではすこぶる奔放だが、普段はしとやかに着物を着ている。大体はバー(なつかしの響き)のママが多いが、『失楽園』のように書道の先生という裏技に出ることもある。なんにせよ、渡辺センセが着物が好きなのは間違いない。


働く女は出ない。この点、センセははっきりしている。働く女はオンナではない。女は夫のために家事をするか、バーにいて男のために気働きをするのである。給料ややりがいのために働くのは、男の領分である。


「伝記系」には野口英世とその母を描いた感動作『遠き落日』、実質的には日本で初めて女医となった荻野吟子を世に知らしめた小説『花埋み』などがある。両作品とも素晴らしい出来である。


札幌医科大学出身ということで「医療系」の世界は、さすがに豊かである。医師としてのリアリティと作家としてのクオリティの融合がそこにある。読む者を引きつけて止まない。


さて、
「医療系」の『雲の階段』は、著者40代の勢いのある時の作品である。
主人公は無免許医師だ。タイトルの雲の階段などあろうはずはない。どんなに尊敬されようと、その階段はホンモノではない。これ以降はネタバレになるので・・・。


久しぶりに読み直した。


やはり、この当時のセンセはよかばい。


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ありがとうございました。
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2013年04月23日

小樽ワイン2012年初しぼりマスカット。

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間違えて甘口のマスカットを購入してしまった。
口に含むと、マスカットの香りと味がおくちばし全体に広がる。
甘いといってもフルーティな美味しさ。
お酒の弱い人にも大丈夫でしょう。

小樽ワインは安くて品質がいいのでびっくり。道外にもっと宣伝すればいいのに。


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2013年04月22日

札幌テレビ塔と地下鉄での盗み聞き。

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丸井今井から撮った塗装中の札幌テレビ塔。



地下鉄の中で、70代くらいの女性二人組(仮にAさん、Bさん)の会話。

地下鉄に乗り込み、すぐに携帯電話を取り出した。
そして、ものすごく大きな声で、
Aさん「もしもおし、もしもおし。アンタ誰?」

隣の私(えっ。)

Aさん「だから、アンタ誰?」
乱暴に携帯を切るAさん。

Aさん「(友人らしきBさんに向かって)なんか、電話が入ってたんだけど、知らない番号なのさ。0157(オーイチゴーナナ)ってなんだろ?若い男が出たんだけど」

私(0−157?)

Bさん「携帯の電話帳調べれば?そしたら、わかるっしょ。」

Aさん「頭いいね」

私(ひっ。)

Aさん「一人一人見ていかないといけないから、帰ってからやるわ。面倒だから。」

Bさん「私ね、最近、耳が遠くなった気がして。」

Aさん「私もひどいんだわ。この前も銀行で○○さん、○○さん、○○さんって三回呼ばれて、三回目で気がついたんだよね。皆に笑われて、ひどい目に遭った。」

Bさん「私はね。人混みの中で声がだんごになって聞こえるの。なんかねぇ、かなり悪くなっているんだわ。」


携帯電話の電子音がAさんのバッグで鳴っている。
二人は気づかない。


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2013年04月21日

道尾秀介著『鬼の跫音』

鬼の跫音 (角川文庫) [文庫] / 道尾 秀介 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)

鬼の跫音 (角川文庫) [文庫] / 道尾 秀介 (著); 角川書店(角川グループパブリッシン...


6話からなる短編集である。それぞれの物語は独立しているが、共通点がある。どの話にもSという正体が知れない男が登場する。こやつの存在を考えるとなかなか哲学的な話になるだろう。


ラストにガラリと変わる大きな仕掛けがあり、そのどれもが暗く深く湿っていて、後味は非常によろしくない。


ホラーである。
それも身近に感じられるホラーである。
『13日の金曜日』のジェイソンのように顔が変形していて声がひゅーひゅーしていて、斧や芝刈り機で襲いかかるといったわかりやすい主人公であれば、こちらだって「きゃあ」などと叫びながら心構えができるのだが、このホラーの主人公は善良な市民の顔を持つのである。


ついつい油断する。
その主人公の目線で物語の中に「いる」自分が「いる」。


それが、作者の意図なんだろうな。テクニシャンである。


人間の中で鬼(悪人)とはなにか、善良な人間とはなにか。
善人ぶっている私たちの横を靜かに歩くその跫音(あしおと)、それをこれまで私は聞いたことがあったか。


いやいや、そもそも鬼とは誰なのか。


私の可能性は? あなたの可能性は? 隣人の可能性は? 


読んで下さい。通勤にはちょうど良い長さかと思います。
そして、暗い夜道、くれぐれも被害者にならないように、加害者にならないようにしなければいけません。


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2013年04月19日

札幌駅と北老虎の白胡麻坦々麺。

朝起きて、外を見ると、雪だった。
木にはりついている雪。
もうゴールデン・ウィークというのに。


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さて、私はこれまで札幌駅にあまり行ったことがない。聞けば、とっくの昔から再開発でJRタワーや大丸やらができて、人の流れが札幌駅になっているというのだ。


で、改めて駅の写真を撮った。私自身、外からちゃんと見るのは初めてだ。


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左に見えるのが大丸デパートである。観光客の皆さん、食品売り場は大層充実しています。お土産になりそうな美味しいものが沢山あります。ワイン、チーズ、お魚にお弁当はいかがでしょうか。


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時計を拡大すると・・・星です☆


写真には写っていないが右側に地上38階のJRタワーが位置する。ここにはとんでもないモノがある。


それがこれだ。


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『男子トイレ』
コンセプトは「札幌の街を望みながら唯一無二の開放感を」となっている。誰がこういうモノを考えついたのか。責任者だせ!


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あっという間に鳩に取り囲まれる。


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ここは坦々麺の有名店。黒ゴマと白ゴマがあり。今日はマイルドな白。


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白胡麻坦々麺880円。
これ上も下も全部白胡麻です。かかっている妖しげなものも胡麻。生の山椒が効いてすっごいです。本当の坦々麺ってこういうことを言うのね。麺も美味しい。ご馳走さまでした。


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2013年04月18日

クイズ番組と母。

TV番組のインテリ芸能人と称する人が出て答えるクイズ番組を母と観ていた。

社会科の問題で歴史上の人物を写真と穴あきの名前から当てるものだった。

西郷どんの例の濃い顔が出てきた。
画面では、

☐☐隆盛
となっていた。

母は元気よく、
「西郷隆盛!」と言って、「簡単だね」とご機嫌だった。


次に美少年の絵が出てきた。
☐☐四郎
となっていた。

母は、
「眠狂四郎!」と叫んだ。


「天草四郎」とインテリ芸能人がボードに書く。

「・・・・」

眠狂四朗は物語の主人公である。


次に新撰組の一人が出てきた。
☐☐ 総司
である。


母は「まくらのそうし」と答えた。


いろいろな意味で間違えている。

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2013年04月14日

近藤誠 中村仁一共著『どうせ死ぬなら「がん」がいい』

どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書) [新書] / 近藤 誠, 中村 仁一 (著); 宝島社 (刊) 

どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書) [新書] / 近藤 誠, 中村 仁一 (著); ...


 「がん」と「高齢」と「死」をテーマに、近藤誠医師(慶応義塾大学医学部放射線科講師)と中村仁一医師(特別養護老人ホーム同和園付属診療所所長)の会話をまとめたものである。


 近藤医師の発言は、これまで発表した本や前作の『医者に殺されない47の心得』の延長線上にあるし、中村医師も『大往生したけりゃ医療とかかわるな』と同じ主張を繰り返している。二人ともぶれていない。


 近藤医師は、最近露出が高くなっていると思ったら、定年が近いらしい。中村医師は自ら医師ヒエラルキー最下位の老人ホームの医者だから相手にされていないと公言する。そういう二人が、医療やら大学病院やら製薬会社やら介護現場やら高齢者やらその家族のことを歯に衣着せず発言している。


 例えばこうだ。


 医者について、
近藤「(略)戦後、素人に毛の生えたような開業医が世にあふれたんです。しかも彼らは、子どもができると、自分の地盤を継がせようと、帝京、埼玉、杏林、東海、北里みたいな新設の私立医大を作らせた。そういう医大には従来の私立医大よりもお金がいっぱいかかって、親に財力があれば頭が悪くても受かるから、できの悪い医者が再生産されていったんです。日本には、まともな医学教育制度はないと思った方がいいですよ」
とぶちまけた。


 そんな医者に体を預けるのだ、
中村「医療っていうのは、命を担保にした博打ですよ。どっちへころぶか医者にもわからないんです。ホントのところ」
ということになる。


 中村医師は特別養護老人ホームの診療所の医師であるが、その観点から以下のように介護について述べている。
中村「(食べ物を)体が要らないといっているのに、無理やり押し込むのは一種の「拷問」ですよ」

中村「日本から北欧に研修に行っていた介護関係者が、食べようとしないお年寄りの口にスプーンを無理に押し込んだら、「あなたは本人の意思を無視するのか」とこっぴどく叱られたという話を聞いたことがあります」


中村「日本では医療は「やれるだけのことをやりたい」。介護も同じ。とにかく「食べさせることは善」だと思って、ぐったりしてほとんど意識もないのに30分、1時間かけて食べさせてやっていますからね。「それは拷問と思わんのかね」と言うと、目をむきますよ。「自分たちはいいことをしていると」と思っているから」

 このような状況は毎日見ていたし、今も続けられているだろう。咳きこもうが、吐きだそうが、何割食べたか、水分はどれだけ摂ったか。ミルク飲み人形化された身体は数字で介護されていく。


で、食べられなくなると胃ろうが検討課題となる。


胃ろうについて
近藤「やっぱり「長く生きること、長く生かすことがいいことだ」みたいな気持ちは医療者の側にも、介護する側にも根強くありますよね」

中村「フランスには「自分の口で食べられなくなったら医者の仕事は終わり、あとは牧師の仕事」という言葉があるそうです」

近藤「ヨーロッパでは鼻からチューブとか胃ろうもないと思います」

近藤「胃ろうを長く続けて、手足が折れ曲がった形で関節が固まってしまったお年寄りの写真を本で紹介されてますね」

中村「これが人間かと思うような悲惨な人間の姿に変わり果てます(略)」



 胃ろうをして年月が経った人の姿を見て驚かない人間はいないと思う。本人の体が食事を拒否しているにもかかからず、胃に穴をあけ、そこから毎日栄養が送られていく。体が枯れ木のように折れ曲がり、頬だけが丸みを帯びて艶々としている。

 老人ホームでは胃ろうをしないと退所してもらうという所も多く、家族は胃ろうに疑問を感じながらも、医者から、「胃ろうをすればまだまだ生きられる」と言われると、見殺しにするようで結局は胃ろう造設にOKするケイスが多い。胃ろうを受ける当人は自分の意思を伝えられる状態ではない。


 近藤医師は、どんなにイジメラレテも自分が慶応を辞めなかったのは、大学病院の医師の発言の方が信じてもらえると思ったからと述べている。


 最後に今話題の南雲医師の「20歳若くなる健康法」について、近藤医師は、「僕は何度も会っているけれど、近くで見れば年相応」と言い放っている。この件について二人は言いたい放題だ。


 時々は脱線をしながらも、二人はともに医師としての視点から医療を、家族の一員として、また一個人としての視点から自分の死や病を語っている。


 死やがんがテーマなのだが、二人の強烈で正直な人間性も垣間見えて面白い本でもある。


 なにより学ぶこと、考えることが多い本だ。


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ありがとうございました。
posted by 雪あらし。 at 21:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 趣味は読書なのである。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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